IRツール進化の鍵はデザイン力
- Junko Saga

- 10月25日
- 読了時間: 3分
統合報告書やアニュアルレポート、サステナビリティレポート——。企業の透明性が求められる時代において、IRツールは単なる情報開示のための媒体ではなく、「企業の姿勢」を映し出すコミュニケーションツールへと進化しています。財務データやESG指標を整然と並べるだけでは、投資家やステークホルダーの心を動かすことはできません。今、IRツールに求められているのは、“情報を超えたデザイン力”です。

かつてIRツールの価値は「正確さ」「網羅性」「信頼性」にありました。しかし、各社が同様の開示体制を整えた今、差を生むのは“どう伝えるか”の部分にあります。つまり、情報の構造設計、視覚的導線、トーン&マナー、そして紙や画面を通じて伝わる感情のデザイン。これらを統合的に構築できる力こそが、次のIRツールを形づくる「デザイン力」です。
私たちPrismが重視するのは、単なるビジュアルの美しさではありません。数字や指標をどのように「語らせるか」、企業のストーリーをどのように「感じさせるか」。ロゴやカラー、タイポグラフィといった表層的なデザイン要素だけでなく、情報構造の奥にある「企業らしさ」を抽出し、それを一貫したトーンで可視化すること。これが、私たちの考える“デザインとしてのIR”です。
例えば、同じROEや売上推移でも、レイアウト次第で読者の印象は大きく変わります。単にグラフを並べるのではなく、経営者の意志や未来へのビジョンが直感的に伝わるように構成する。そこにデザインの介在価値が生まれます。情報を美しく整えるのは出発点にすぎません。その先にあるのは、「どんな企業でありたいか」を投資家に語りかける“企業人格の表現”です。
IRの現場では、公認会計士やアナリスト、IR担当者が数字や言葉を緻密に積み上げます。しかし、それらの努力を確実に受け手に届けるためには、「伝わる設計=デザイン」が欠かせません。実際、海外投資家とのコミュニケーションにおいても、レイアウトの一貫性やビジュアル・ストーリーテリングの巧拙が、企業の信頼性評価に影響するケースは少なくありません。
Prismでは、IRツールを「デザインド・コミュニケーション」と位置づけ、デザインの力で企業価値を高める取り組みを行っています。統合報告書・株主通信・CSRレポート・IRサイトのリニューアルなど、これまで多数の上場企業・金融機関・不動産系リートのツールを手がけてきました。その中で感じるのは、どの企業にも“まだ伝えきれていない魅力”が必ずあるということです。それを引き出すのが、デザインの役割です。
情報を「正しく伝える」だけでなく、「美しく、深く、共感と信頼で結ぶ」。それが、次世代のIRツールがめざすべき姿であり、Prismが描く未来です。
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